【12月21日 AFP】死産は多くの場合、胎盤異常や早期陣痛などの妊娠合併症によって引き起こされるとする論文が、13日の米国医師会雑誌(Journal of the American Medical AssociationJAMA)に発表された。

 妊娠20週目以降に胎児が死亡するいわゆる死産は、米国では160回につき1回発生している。極めてまれとは言え、先進国の中では最も高い確率だ。

 死産の原因については、10年前まで何1つ分からなかったと言っても過言ではない。今回同誌に掲載された論文2本は、死産の約半数は1種類または複数の妊娠合併症が原因とみられると論じている。

 1本目の論文は米国立衛生研究所(US National Institutes of Health)の研究チームが発表した。

 米国5州の妊婦500人のデータを分析したところ、死産のケースの61%で推定原因を特定することができた。このうち26%は、胎児に栄養分と血液を送り老廃物を取り除く胎盤の異常に関係していた。感染症に関係した死産は14~19%、胎児異常とへその緒の異常に関係した死産はそれぞれ約10%だった。

 研究者の1人は「われわれの研究は、死産の60%以上で、徹底した医学的評価により推定原因が特定できることを示している」と話した。

■リスク要因

 2本目の論文では、米テキサス大学医学部ガルベストン校(University of Texas Medical Branch at Galveston)の研究チームが、妊娠時における死産のリスク要因を精査した。

 死産と強く結びついていた要因は、「黒人」「糖尿病」「40歳以上」「血液型がAB型」「ドラッグ依存症の過去」などだった。ほかにも、「妊娠3か月以内での喫煙」「肥満または過体重」「パートナーと別居している」などがあった。

 ただし、死産リスクが全般的に最も高くなる妊娠や具体的な原因の特定には、さらなる研究が必要だと指摘している。(c)AFP