【12月15日 AFP】米疾病対策センター(US Centers for Disease Control and PreventionCDC)は14日、米国人女性の約5人に1人が強姦または強姦未遂の被害に遭っているとのショッキングな調査結果を発表した。

 同センターは前年、性的暴力の実態調査に初めて乗り出し、全米で無作為抽出した約1万人の女性に電話アンケートを行った。すると、18.3%が「強姦されたことがある」または「強姦されそうになったことがある」と回答した。

 加害者との間柄については、「親密なパートナー(現在・過去の恋人や配偶者)」が被害を受けたと回答したうちの過半数(51.1%)を占め、次いで多かったのは「知人」(40.8%)だった。

 調査では、調査前年の2009年に強姦被害に遭った女性が130万人に上ったことも明らかになった。米司法省が2010年に発表した犯罪調査書では、強姦・性的暴行の被害者数は18万8380人となっており、実態が統計をはるかに上回っている恐れが出てきた。

■DV被害女性は4人に1人、男性の5%も強姦被害

 また、親密なパートナーから「激しい暴力を振るわれたことがある」と回答したのは、女性が約4人に1人(24.3%)、男性が約7人に1人だった。

 調査では、男性7400人以上に対しても強姦されたことがあるかを尋ねた。その結果、71人に1人(全米男性の約5%)が強姦被害を受けていることが明らかになり、うち4人に1人以上(27.8%)が「10歳未満」の時に被害を受けていた。

 報告書は、性的暴力とドメスティック・バイオレンス(DV)について、公衆衛生上の重大な脅威だと指摘。被害者は肉体的なけがだけでなく精神疾患、婦人科合併症、妊娠合併症など、あらゆる疾患に侵される傾向があり、「その結果、入院を余儀なくされたり身体障害を負ったり、最悪の場合死亡してしまうケースも生じる」と警告している。(c)AFP/Robert MacPherson