【11月4日 AFP】慢性の腰痛の場合、医師の助言を求めるよりも、ヨガを始めるほうがライフスタイルが改善され、全般的に健康が増進するという研究結果が、31日の米医学誌「内科年報(Annals of Internal Medicine)」に発表された。

 英ヨーク大(University of York)の研究チームが300人以上を対象に行ったもので、同種の研究では英国最大だという。

 被験者は全員、慢性の腰痛のため医師の診察を受けたことがある人たちで、うち156人にヨガのクラスを受けてもらい、残る157人は医師の治療に任せた。3か月後に両グループを比較したところ、ヨガクラスを受けたグループのほうが医師の治療を受けたグループより、さまざまなことを30%ほど活発にこなすことができた。

 ヨガクラスの受講者で最も大きな改善がみられたのは、「より速く歩く」「座ったりつかまったりしないで着替える」「より長時間、立ったままでいる」といった日常の活動に対する自信が増した点だった。

 痛みの点でも、ヨガクラスの受講者のほうがやや痛みが少なくなったとの結果が出たが、これは誤差の範囲内だという。

 研究チームでは、英国人の8割が人生のいずれかの時点で腰痛を経験しているにもかかわらず、効果的な治療法はほとんどないため、今回の発見は重要だと述べている。研究主任のデービッド・トーガーソン(David Torgerson)氏は「腰痛は非常に一般的だが、代償も大きい。エクササイズによる治療はよく行われ、推奨されてもいるが、腰痛にはわずかな効果しかない」と説明している。(c)AFP