【9月28日 AFP】欧米で、無防備な性交渉をする若者が過去2年間で急増したとの調査が26日、発表された。保健専門家は、「セーフセックス」の呼び掛けが無視されていることに懸念を示している。

 調査は、26日の世界避妊デー(World Contraception Day)に合わせてペアレントフッド財団(Parenthood Foundation)が実施した。調査によると、特に米国や、フランスなどの欧州の性的に活発なティーンエイジ(13~19歳)の若者で、新しいパートナーとの間で避妊しなかった人の割合が急増したという。

 新しいパートナーとの間で避妊を行わずに性交渉を持ったことのある若者の割合は、米国では2009年には38%だったが、現在は53%に上っている。またフランスでは同19%から40%に急増した。

 また、タイは特に懸念すべき国で、若者の62%が無防備な性交渉を新しいパートナーと行ったことがあった。この割合は中国や韓国、ノルウェー、エストニアでも50%を超えた。

 この研究によると、欧州、アジア太平洋地域、中南米、米国の全域で、避妊をしない理由で最も一般的だったのは、性交渉のための準備不足だった。これらの地域の若者のうち3分の1は、性交渉のときに避妊のための手段を何も持っていなかった。

 国際家族計画連盟(International Planned Parenthood FederationIPPF)のジェニファー・ウッドサイド(Jennifer Woodside)氏は、「望まない妊娠や性感染症を防ぐための性的な健康についての知識が欠けている、あるいは避妊を相手に求めるだけの社会的な力を得られていないと感じている、あるいはパートナーに避妊を求めるための交渉スキルを学んだことがない若者があまりにも多いことが研究結果で示された」と述べた。

 調査はことし4~5月にかけて、ドイツ製薬大手バイエル(Bayer)の資金援助で、アジア太平洋、欧州、中南米、米国の26か国、5426人の15~24歳の若者を対象に行った。また、エジプトでは30歳までの600人にも調査を実施した。(c)AFP