【9月16日 AFP】子宮内避妊用具「IUD」で子宮頸(けい)がんをも予防できる可能性があるとの調査結果が、13日の英医学誌「ランセット・オンコロジー(Lancet Oncology)」に発表された。

 IUDはプラスチックなどでできた器具で、銅やホルモン剤が付加されているものもあり、子宮内に装着して妊娠を防ぐ。1970年代に導入され、今では世界中で広く使用されている。過去の研究で、子宮内膜がんへの予防効果が示されたことはあるが、このデータには子宮頸がんに関するものも混在していた。

 今回、スペインのロスピタレート・デ・リョブレガート(L'Hospitalet de Llobregat)の研究者らは、子宮頸がんに関する研究10本とヒトパピローマウイルス(HPV)感染に関する研究16本について、女性2万人以上のデータを分析。その結果、IUDの使用の有無でHPV感染リスクに変化はなかったが、子宮頸がんリスクはIUD使用経験のある女性で半分近く低減することが分かった。

 データ上、IUDは子宮頸がんの主な2タイプである扁平上皮がんと腺がんの両方で、著しい予防効果を見せた。発症リスクは扁平上皮がんでは44%下がり、腺がんでは54%低くなった。なお、予防効果は(IUDを使用した)初年度から現れ、12年後も高い予防効果が維持されていた。

 調査ではまた、HPVが子宮頸がんに進行するリスクが過小評価されているという事実も明らかになった。(c)AFP