【9月2日 AFP】中国各地で、8月最後の1週間に帝王切開による出産が急増していたことが、メディア報道と地元当局の話で1日、明らかになった。

 中国では子どもの就学年齢を、9月1日生まれ~翌年8月31日生まれで区切っているため、わが子の就学を1年遅らせたくない親心による駆け込み出産が原因という。全国統計は出ていないが、各地の病院で帝王切開の急増が報告されている。

 福建(Fujian)省のある自治体では、帝王切開出産が50%以上増えたと地元紙が報じた。ニュースサイト「QQ」によれば四川(Sichuan)省成都(Chengdu)の産院でも8月21日以降、帝王切開手術が増えた。この産院の医師は「例年と同じだ。少しでも早く子どもたちを就学させたい母親たちが多い」と語っている。

 江蘇(Jiangsu)省鎮江(Zhenjiang)の病院でも、29日~31日の3日間、自然分娩による出産が12件だったのに対し、帝王切開は30件に上ったという。隣接する山東(Shandong)省済南(Jinan)の産婦人科では、22日~30日に129件もの帝王切開が行われたという。

 帝王切開は、自然分娩では母体や胎児に危険があると診断された場合に行われる出産方法だが、中国では母体の健康状態に関わらず帝王切開を選択できる。世界保健機関(World Health OrganizationWHO)の統計によると、中国国内の出産の半数近くが帝王切開で行われており、世界で最も帝王切開率が高い。(c)AFP