【8月5日 AFP】95歳を超える長寿のイスラエルの東方ユダヤ人(アシュケナージ)たちは、食生活や生活習慣が一般集団よりも優れているわけではないとする研究結果が3日、米老年医学会誌(Journal of the American Geriatrics Society)電子版に発表された。100歳まで生きられるような人は、不健康な生活習慣による有害な影響を和らげてくれる「長寿遺伝子」を持っている可能性が示唆されるという。

 イスラエルのアルバート・アインシュタイン医科大学(Albert Einstein College of Medicine)加齢研究所のチームは、95~122歳の独り暮らしのアシュケナージ477人(うち75%が女性)の生活習慣などを調査した。アシュケナージのユダヤ人を選んだ理由は、他の集団よりも遺伝的に均一なため、遺伝子の差異を特定しやすいからだ。

 データは1971~75年の全国健康・栄養調査に参加した被験者と、同時期生まれの3164人のデータとを比較した。

 その結果、高齢のアシュケナージの身長・体重比、喫煙習慣、運動量、食生活は全体的に一般集団とほぼ変わらなかった。男性で言えば、毎日飲酒する人の割合は、一般集団が22%なのに対し、高齢のアシュケナージが24%とやや高く、定期的に運動する人の割合も一般集団の57%に対し、高齢のアシュケナージが43%と低かった。

 過体重になる確率は両者でほぼ同じだったが、肥満まで進む確率は高齢のアシュケナージの方が低かった。

 研究を率いたニール・バルジライ(Nir Barzilai)氏は、アシュケナージの長寿の秘訣は大半の人には当てはまらないと注意を促した。「長寿の家系を持たない大半の人々にとって、喫煙と運動不足は良い選択肢とは言えない。われわれは体重を管理し、喫煙を控え、運動を積極的に行うべきだ。一般集団にとっては、こうしたことが長生きも含め、健康上大きな利点となることが明らかになっているからだ」(c)AFP