【7月6日 AFP】女性が妊娠を望むなら、歯ブラシとデンタルフロスで歯の掃除をこまめに行う必要がありそうだ。スウェーデンのストックホルム(Stockholm)で開催中の欧州ヒト生殖学会(European Society of Human Reproduction and EmbryologyESHRE)の会議で5日、歯周病が妊娠の成功率に悪影響を及ぼすとする研究成果が発表された。

 西オーストラリア大(University of Western Australia)の研究チームは、西オーストラリア(Western Australia)州でアジア系を中心とした若い妊婦3416人を対象に医学的調査を行った。

 その結果、妊娠までの期間は、喫煙や体重などの要因を加味した場合でも、健康な歯ぐきを持つ妊婦では平均5か月だったのに対し、歯周病の妊婦では平均7か月を要していた。

 歯周病は妊娠を平均で2か月遅らせる可能性が示されたことになるが、この数字は肥満女性の場合とほぼ同じだ。

 医師らは、妊娠が遅れる原因は口腔(こうくう)細菌が引き起こす炎症にあると考えている。口腔内の炎症が生殖系の組織に波及効果をもたらしている可能性があるというのだ。

 研究を主導した同大のロジャー・ハート(Roger Hart)教授によれば、歯周病が妊娠成功率の影響要因に含まれることが示されたのは今回が初めて。(c)AFP