【7月4日 AFP】ポーランドで、望まない妊娠や母体へのリスクが大きい場合であっても中絶を全面的に禁止する動きが進んでいる。

 ポーランドは現行でも欧州でも最も厳しい中絶禁止法を導入しており、性的暴行の被害者や、近親間の妊娠、母体に危険が及ぶ場合、胎児に先天的異常がある場合にのみ、中絶が認められている。

 新たな法案は、これらの例外を撤廃し、中絶を全て禁止するという内容だ。法案を提出したのは中絶反対の活動家だが、保守派の野党と連立与党の右派リベラル政党の支持層から45万人の支持署名を集めている。

 ポーランド国会では1日、左派政党が同法案の審議中止を求める動議を提出したが否決され、審議の継続が決定された。

 公式統計によれば、現行法で合法とされる中絶は年間数百件。しかし、ポーランドの病院では、法で認められている場合でも中絶を拒否する例が多いという。違法に中絶を行えば、中絶処置を提供した者に最高で禁錮2年の刑罰が科されるが、女性権利団体によると国内で毎年18万件の違法中絶が行われているという。(c)AFP