【6月7日 AFP】オーストラリアの科学者らが、創傷の悪化や回復を色の変化で示してくれる「賢い」包帯を開発中した。膝から下、くるぶしから上の部分の皮膚が欠損する「下腿潰瘍」(かたいかいよう)などの治療の向上につながる可能性がある。

 開発の中心メンバーである材料科学者のルイーズ・ファン・デル・ベルフ(Louise van der Werff)氏は6日、AFP通信に、包帯が傷の温度によって赤や青に変わると説明。「創傷部分は感染すると通常は温かくなり、傷口から出血があった場合などは冷たくなる」と話した。

 傷の状態の変化は必ずしも明確に把握できるものではないが、同氏が考案に携わった液晶素材を使用した繊維は、0.5度未満の温度変化を捉えることができるという。

 同氏は「私たちの主な目的は慢性創傷の治療。対象は下腿潰瘍や床擦れなどを患いやすいお年寄りや肥満の方、糖尿病患者だ」と話した。

 同氏はメルボルン(Melbourne)のモナッシュ大学(Monash University)博士課程の学生で、オーストラリア国立自然科学産業研究機関(Commonwealth Scientific and Industrial Research OrganisationCSIRO)に在籍する科学者でもある。(c)AFP