【5月31日 AFP】ドイツで腸管出血性大腸菌「O(オー)104」の感染が相次ぐ中、当局は30日、死者が少なくとも14人に達したと発表した。ドイツ政府は同日、緊急対策会議を開いた。

 ドイツ北部で「O104」の最初の感染例が報告されたのは2週間前。報道によると、感染が確認された例と疑われる例を合わせた報告数は1200件にも上っている。またドイツ国立ロベルト・コッホ研究所(Robert Koch InstituteRKI)によると、「O104」が引き起こす溶血性尿毒症症候群(HUS)は329人の発症が確認されている。

 感染は英国、デンマーク、スウェーデン、オランダなどにも広がっているが、これらの国々の感染者の大半は最近、旅行などでドイツから帰国した人々だ。

 ドイツ保健当局は前週、スペインから輸入した有機キュウリから病原性大腸菌が検出されたとして、野菜を生で食べないよう警告した。ただし、HUSの流行の原因は不明だと述べている。

 事態を受け、ベルギーとロシアもスペイン産野菜の輸入禁止に踏み切ったが、スペインは欧州連合(EU)に対し、風評被害による損害分の補償を求めることも辞さないと反発している。

 欧州疾病予防管理センター(European Centre for Disease Prevention and ControlECDC)は今回のHUSの流行について、「拡大範囲はこれまでで最も大きい部類に入る。ドイツで記録がある中では最大」だと表現している。(c)AFP/Frederic Happe

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