【5月29日 AFP】食中毒が相次いでいるドイツで28日、新たに80代の女性3人と、30代の女性1人の4人が死亡した。シュレスウィヒ・ホルシュタイン(Schleswig-Holstein)州保健省とハンブルク(Hamburg)の医療機関がそれぞれ発表した。

 一連の食中毒によるとみられるドイツ国内の死者は10人となった。うち2人は病原性大腸菌が原因だったと公式に発表されている。ドイツでは今月に入り276人が、病原性大腸菌が引き起こす溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症した。欧州の他の国でも病原性大腸菌の感染やHUSの発症は確認されているが、ドイツが群を抜いて多い。

 スペイン南部アンダルシア(Andalusia)州当局者は28日、溶血性尿毒症症候群の原因となる大腸菌に汚染されたキュウリを輸出した疑いがある業者2社を営業停止処分にしたと発表した。感染した疑いのあるキュウリは回収し、30日に検査結果が出る予定だという。

 一方、スペイン紙エル・パイス(El Pais)は、問題のキュウリを輸出した業者のうち1社が、発送した4日後に、ハンブルクの市場でキュウリを地面に落としたとの連絡をドイツから書面で受けたと報じた。この業者は同紙に対し、「そのようなことが起きたなら、こちらとしては商品に責任を持てない」と話している。(c)AFP