【4月22日 AFP】国連食糧農業機関(Food and Agriculture OrganisationFAO)は21日、2003年以降320人以上の死者を出した強毒性の鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)について、根絶には少なくとも10年を要するとする報告書を発表した。

 H5N1型は、ピーク時の06年には60か国で検出されたものの、多くの国では多大な努力の末に現在はほぼ根絶に成功している。だが、いまだに中国、インド、インドネシア、ベトナム、バングラデシュ、エジプトの6か国では「しっかりと根を下ろして」いるという。

 これら6か国で流行している主な原因としては、鶏肉を市場で直接さばいて売るといった商慣行や、獣医の質の悪さ、そして「H5N1型への恐怖が必ずしもウイルスの制御や根絶に向けた具体的な方策に結びついていない」ことが挙げられるという。

 報告書は、「6か国では根絶に10年以上はかかる」との見通しを示した上で、それぞれの国に対し、根絶に向けた諸対策を今後5年以内に実行に移すよう勧告した。(c)AFP