【4月12日 AFP】肥満治療で、既存の2種類の薬を合わせて使用すると、米国で「ゼニカル」や「アライ」の名で売られている減量薬オルリスタットの2倍の減量効果があるという研究結果が11日、英医学専門誌「ランセット(The Lancet)」に発表された。

 オルリスタットは、米国で長期的な減量に使うことが承認されている唯一の薬。この薬の2倍の減量効果を示したのは、米国で短期間の減量用の処方薬として最も広く使われているフェンテルミンと、けいれん性疾患や片頭痛の治療に使われ、「トパマックス」の名で販売されている抗けいれん剤トピラマートを一緒に服用した場合。

 米デューク大学(Duke University)医療センターのKishore Cadde氏のチームは1年8か月をかけ、過体重もしくは肥満で、健康リスクがある症状を2つ以上を抱えている成人2500人近くを対象に試験を行った。

 対象者は3つのグループに分けられ、1番目のグループには1日1回、フェンテルミン7.5ミリグラムとトピラマート46ミリグラムを、2番目のグループには同各15、92ミリグラムずつ、3番目のグループには偽薬を服用させた。

 56週間後の体重は、服用の少なかった1番目のグループで8.1キロ、多かった2番目のグループでは10.2キロの減量がみられた。体重が5%以上減った人の割合で見ると、服用の少なかったグループでは62%、多かったグループでは70%の人が達成していた。

 偽薬のグループでは平均1.4キロの減量しかみられず、5%以上減量した人の割合も21%だった。

 またトピラマートのほうはこれまでにも単独で、2型糖尿病患者の肥満治療に使用した場合、減量効果が高いことが明らかになっていたが、認知機能や精神面の副作用との関連が指摘されてきた。しかし今回、フェンテルミンと合わせて服用した場合には、口の渇きや便秘の例が散見されるだけで、他の副作用はみられなかった。(c)AFP