【3月10日 AFP】英保健省は9日、イングランドで2012年4月から、大型店の店頭でのタバコの陳列販売を禁止する新政策を発表した。販売の際には「限られた条件」の下でのみパッケージの提示が認められるようになる。15年までに小規模店も含めたすべての販売店に対象を拡大する方針だ。

 また、若者への販売促進効果を弱めるため、パッケージの「無地化」を年内に導入する。

 アンドルー・ランズリー(Andrew Lansley)保健相は、「イングランドでは800万人以上がいまだに喫煙を続けており、そのため毎年8万人以上が死亡している。喫煙者に禁煙を勧め、若者にはタバコに手を出さないよう奨励するため、あらゆることをしたい」と述べた。保健省によると英全土では、成人の5分の1が喫煙者という。

 禁煙運動家らは新政策を歓迎しているが、販売店側は「目に入らない場所に置けば若者の喫煙意欲をそぐことができるなどという証拠はどこにもない」と強く反発している。

 新政策はイングランドのみが対象で、スコットランドやウェールズ、北アイルランドでは独自に政策を決定する。

 世界的には、すでにカナダやアイルランド、フィンランドなどでタバコの陳列販売が禁止されている。現在検討されているパッケージの無地化はオーストラリアが12年に導入予定だが、イングランドで導入されれば、欧州では初となる。(c)AFP

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