【2月23日 AFP】携帯電話の使用は脳の活動量をある程度増加させることが実験で示されたとする論文が、23日の米国医師会雑誌(Journal of the American Medical AssociationJAMA)に発表された。ただし、携帯電話の健康リスクに関しては依然不透明だ。

 米国立衛生研究所(National Institutes of Health)の研究チームは2009年、携帯電話の使用が脳活動に影響を及ぼすかを調べるため、47人に対し2通りの実験を行った。

 まず、電源をオンにした携帯電話を両耳にあてがい、右耳の方だけ50分間音を遮断した。次に、電源をオフにした携帯電話を両耳にあてがった。いずれの場合も、脳のPETスキャン撮影を行った。

 その結果、電源をオンにした携帯電話のアンテナに近い脳の領域で、活動を示すグルコース代謝が増加したことが確認された。電源をオフにした携帯電話では活動の活発化は見られなかった。

 論文は、「人間の脳が携帯電話で発生する無線周波電磁界(RF-EMF)に敏感であることを示す証拠だ」としながらも、RF-EMFが人間の脳機能に長期的な害をもたらすかは依然不明であり、さらなる調査が必要としている。

 研究グループが特に懸念しているのはRF-EMFの発がん効果の可能性だが、疫学調査では、携帯電話の使用と脳腫瘍の関係性が一貫していないことが示されているという。(c)AFP

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