【11月20日 AFP】ネット上の友人たちが原因でぜんそくが引き起こされることはあるだろうか?――19日の英医学専門誌「ランセット(The Lancet)」に掲載されたケーススタディ(事例研究)の報告書が疑問を提起している。

 報告書は、イタリア、ナポリ(Naples)のジェンナーロ・ダマト(Gennaro D'Amato)医師が率いる医師5人の研究チームによるもの。

 医師らは、18歳の男性が、夏に突然ぜんそく発作を起こした事例を紹介した。この男性は、ぜんそくの持病があるものの、夏の間に発作を起こすことはまれだったという。

 男性の母親によると当時この男性は恋人と別れ、ふさぎこんでいた。

 一方、「元カノ」の女性は、米SNSフェースブック(Facebook)で男性を「フレンド」リストから削除し、新たに多数の若い男性を「フレンド」登録していた。

 もう一度彼女の写真が見たいと思った男性は、フェースブックで新しいアカウントを取得し、別人として「元カノ」とフレンド登録することに成功したという。

■ログインすると呼吸困難に

 この出来事に興味を持った医師らは、フェースブックにアクセスする際に、呼気流量を測定するマスクをつけるよう男性に頼んだ。

 結果、男性はログインするやいなや、呼吸量が大幅に低下することが測定された。多いときで20%以上の低下だった。

 その後、男性は精神科医の助言を受け、フェースブックにアクセスすることを止めた。すると、ぜんそくの発作も収まったという。

 医師らは、フェースブックにログインすることのストレスが、ぜんそくを引き起こしていたと結論づけた。元カノの写真を見たり会話したりする可能性が、文字通り男性を呼吸困難に陥れていたのだ。(c)AFP

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