【10月1日 AFP】米国人の約10人に1人がうつ病を患っており、うち3分の1が重度のうつ病だとする調査結果が9月30日に発表された。無職であることと関連しているケースが多いという。

 米疾病対策センター(US Centers for Disease Control and PreventionCDC)は、全米45州とワシントンD.C.(Washington DC)、プエルトリコ(Puerto Rico)、米領バージン諸島(Virgin Islands)で2006~08年に行った成人23万5000人以上の聞き取り調査の結果を分析した。調査では、「過去2週間で気分が落ち込んだ回数」などを尋ねた。

 その結果、全体の9%が「うつ病」、うち3.4%が「大うつ(重いうつ病)」と診断された。

 うつ病に最も関連していた要素は、その人の就業状態だった。大うつと診断された人の割合は、「就業できない状態」の人では約4人に1人(22%)、「失業中」の人ではほぼ10人に1人だったのに対し、「就業者」ではわずか50人に1人(2%)だった。

「就業できない状態」とは、身体に障害があるか、長期療養中であることを指しているとみられる。

■学歴、性別、年齢、人種、居住地域も関係

 次に関連していた要素は「学歴」だった。大うつと診断された人の割合は、「中卒以下」では6.7%、「高卒」では4%、「大学中退か大卒以上」では2.5%だった。

 うつ病と診断される人の割合は、男女別では女性の方が、年齢別では65歳以上より若年層の方が、高かった。

 人種別では、白人よりも黒人やヒスパニック系の方が高く、地域別では、貧困率と肥満率が全米一高い南東部の住民がほかの地域の住民よりも高かった。

 なお、肥満、心疾患、糖尿病、ぜんそく、関節炎、がんなど、慢性疾患を抱えている人では健康な人よりもうつ病と診断される確率が高かった。うつ病が慢性疾患を誘発するのか、慢性疾患が患者をうつ病に陥れるのかは不明だが、うつ病と慢性疾患が重なってしまうとうつは悪化の一途をたどってしまうこともあるという。(c)AFP

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