【9月15日 AFP】「あくびは人から人へ移る」ことが分かっているが、4歳未満児と自閉症児はこの現象に無縁だとする論文が、15日の医学誌「Child Development」に発表された。

 米コネティカット大(University of Connecticut)の研究チームは、正常発育児、つまり実年齢と精神年齢が同じ1~6歳の120人と、自閉症スペクトラム障害を持つ6~15歳の30人を対象に、あくびが伝染するのかどうかについて観察した。

 その結果、おなかの中の赤ん坊は自発的にあくびをするが、産まれてきた赤ん坊の大半は、4歳になるまでは「あくびに伝染しない」ことが分かった。

 また、自閉症の子どもは、正常発育児に比べてあくびを移される頻度が少なく、自閉症の度合いが高いほどこの傾向が強くなった。

 この結果について研究者らは、「あくびの伝染が『共感』のしるしだとすると、共感とその根底にある『まねる行為』が生後数年間で、徐々に発達していくことを示している。自閉症スペクトラム障害の子どもは、自分と他人を感情的に結び付けるかすかな合図を見逃している可能性がある」と指摘する。
 
 一方、成人ではあくびは伝染しやすいようで、約半数が「あくびに伝染する」という。(c)AFP