【9月14日 AFP】各国の医療関係者らは13日、ほとんどの抗生物質で耐性を示す新型の多剤耐性菌が世界規模で拡大する恐れがあると、米ボストン(Boston)で開催中の「抗菌薬および化学療法に関する学術会(Conference on Antimicrobial Agency and ChemotherapyICAAC)」で警告した。

 インドが発生源とされる耐性遺伝子「NDM-1」を持つ新型の多剤耐性菌は、2007年に英国で初めて見つかった。メディカルツーリストを介してインドから持ち込まれたと考えられている。NDM-1感染による死者だと初めて確認されたのは、パキスタンで交通事故にあったベルギー人男性。

 会議に出席したフランス人医師、パトリス・ノルマン(Patrice Nordmann)氏は、「多剤耐性菌が広まりつつあることは確実だ」と述べ、早急に国際レベルでの監視システムを築く必要があると訴えた。また、各国で入院患者全員を対象にNDM-1感染チェックを実施すべきだと語った。

 ノルマン氏によると、すでにフランスでは、これらの措置が導入されており、日本、シンガポール、中国も導入を検討しているという。

 ノルマン氏は、多剤耐性菌を「時限爆弾のようなものだ」と評し、重ねて問題の緊急性を訴えた。(c)AFP