【9月7日 AFP】英ノッティンガム大学(University of Nottingham)は6日、同大学の研究者がゴキブリなどの昆虫から抗生物質として有望な物質を発見したことを明らかにした。研究成果は、6日から9日まで同大で開かれる英微生物学会(Society for General Microbiology)秋季大会で発表される。

 同大の大学院研究生サイモン・リー(Simon Lee)氏は、ゴキブリやバッタ類の脳や神経に、従来の殺菌剤に耐性がある細菌も殺菌できる9種類の分子があることを発見した。この抗生物質により大腸菌やメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の90%以上が死滅したという。
 
 昆虫は非衛生的な環境に生息することが多く、さまざまな種類のバクテリアに遭遇する。このため昆虫が自分を守るため抗生物質を分泌することはごく自然なことだと、リー氏は指摘する。

 リー氏の研究はまだ初期段階にあり、今後は院内感染で知られるアシネトバクター菌やシュードモナス菌、バークホルデリア属の細菌などに対する殺菌効果を調べる。まだ数多くの実験をする必要があり、これらの物質の抗菌効果が証明されるまで長い時間がかかるとみられている。(c)AFP