【8月17日 AFP】中国起源の瞑想(めいそう)術をたった11時間実践するだけで、脳による行動制御が活性化されるという研究結果が16日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)に発表された。

 心身統合瞑想法(IBMT)は、中国の伝統医学に由来し、中国で実践されている瞑想術を基に1990年代に確立されたもの。米オレゴン大(University of Oregon)と中国・大連理工大(Dalian University of Technology)の研究チームは、45人の学生を対象に、IBMTを行うグループとリラクゼーション・トレーニングを行うグループに分け、IBMTの効果を調べた。

 画像検査の結果、感情や行動を制御する前帯状皮質内の神経結合数は、IBMTを行ったグループの方が多かった。

 不安、うつ、怒り、疲労のレベルは、IBMTを行ったグループの方が低かった。前帯状皮質の活性異常はこれまで、注意欠陥・多動性障害、認知症、うつ病、統合失調症などの疾患との関連性が指摘されてきた。

 IBMTによる変化は、脳の白質が再構成されるか、神経結合を取り巻くミエリンの量が増えることによってもたらされたと、研究チームは考えている。

 また、トレーニングが脳の可塑性にどのように影響するかの理解を深める道具として、IBMTを活用できるとしている。(c)AFP