【7月15日 AFP】フィンランドの国立保健福祉研究所のチームは、12日発行の米医学誌「アーカイブス・オブ・ニューロロジー(Archives of Neurology)」7月号に、ビタミンDの摂取量が多いことと、パーキンソン病のリスクが下がることには関連性があるとする研究結果を発表した。

 チームは最初にパーキンソン病は「ビタミンDが恒常的に不足することによって、脳内のドーパミン作動性ニューロンが慢性的に欠如して引き起こされる」という仮説をたてた。

 ビタミンDは太陽光の紫外線に当たることによって体内で作られるほか、少量は食事からも摂取できる。骨の健康に重要な役割を果たしているほか、がんや心疾患、2型糖尿病の発症リスク低下とも関連性があると考えられている。

 フィンランドの研究はパーキンソン病にかかっていない同国の50~79歳の男女3173人を対象に、1978~2007年の29年間を追ったもので、研究終了までに50人がパーキンソン病を発症した。

 運動量や肥満度指数といった関連性が考えられる要因を調整したうえで、体内のビタミンD量が多かった上位4分の1のグループと、少なかった下位4分の1のグループを比較すると、前者のパーキンソン病の発症率のほうが67%低かった。

 医師らはその理由を説明できてはいないが、ビタミンDは抗酸化活性を通じて脳を保護する作用があるほか、カルシウムレベルの調整や、解毒作用、免疫システムの調整作用、ニューロンの電子回路を強化する働きがあることなどがこれまでに示されている点を挙げている。(c)AFP