【4月27日 AFP】うつ症状をもつ人はチョコレートをよく食べ、症状が重いほど食べる量が増える――。こうした研究結果が、米内科学会誌「アーカイブス・オブ・インターナル・メディシン(Archives of Internal Medicine)」4月26日号で発表された。

 この研究の共同執筆者である、米カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California at San Diego)のベアトリス・ゴロム(Beatrice Golomb)博士は、「これまで長い間言われてきた、人は気分が落ち込んだ時チョコレートを食べたくなるということを確認した」と語った。

 ゴロム氏らは、抗うつ剤を使用しておらず、心臓疾患や糖尿病にかかっていない約1000人の成人を対象に、チョコレートの消費量と気分との関係を調査した。

 対象者には1週間に食べたチョコレートの量を申告してもらったほか、うつ状態の程度を「抑うつ状態自己評価尺度(Center for Epidemiological Studies Depression Scale)」という基準で測定した。

 その結果、うつの症状が全くない人びとが1かけ約28グラムのチョコレートを1か月に5個食べているのに対し、最もうつ症状の重かった人びとはおよそ12個を食べていたことがわかった。中程度のうつ症状をもつ人びとは8個だった。ミルクチョコレートとビターチョコレートの区別は行っていない。

 ゴロム氏は、「今回の結果は、カフェインや脂肪、炭水化物、エネルギー摂取量の総合的な増加からの説明はなされておらず、チョコレートのみに特化したものだ」と強調。また、うつ症状をもつ人とそうではない人との間には、魚やコーヒー、果物、野菜などの抗酸化物質を多く含む食品の消費量の違いはなかったという。

 研究では、うつ症状におけるチョコレートの関連性や役割などについては、更なる研究が必要だとしている。(c)AFP