【3月18日 AFP】一部の魚やナッツ油に天然の状態で含まれ、いわゆる善玉脂肪EPA(エイコサペンタエン酸)として知られる「オメガ3脂肪酸」を精製したサプリメントが、大腸がんに成長する悪性ポリープの発生リスクを減らすとの研究結果が18日、英国医師会(British Medical AssociationBMA)の医学誌「Gut」(電子版)に発表された。

 研究対象となったのは前がん状態のポリープで、しばしば悪性腫瘍に成長すると、腸の広範囲の切除が必要となる。研究に参加した被験者には全員、このポリープの発達を促す遺伝子変異が認められた。

 被験者は無作為の2グループに分けられ、28人は高純度に精製されたオメガ3の新製品を毎日2グラムずつ摂取し、残る27人は偽薬を与えられた。

 半年後のポリープ発生数は、偽薬のグループでは10%近い増加が見られたのに対し、オメガ3のカプセルを摂取したグループでは12%減っており、その差の開きは22%を超えた。さらに偽薬のグループではポリープの大きさも17%程度大きくなっていたが、オメガ3の摂取グループでは逆に12.5%小さくなっており、この差も30%近くに達した。

 この結果は、遺伝的なポリープの抑制に使用される阻害剤セレコキシブ(商標名セレブレックス)の効果に近い。ただ、セレコキシブは高齢者が使用した場合、循環器系への副作用が指摘されてきた。対照的にオメガ3のサプリメントは「非常に副作用が少ない」と医師らは語っている。(c)AFP