【3月10日 AFP】高齢の男性は高齢の女性よりも性生活に対して2倍以上積極的だとする研究結果が、9日の英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical JournalBMJ)」(電子版)に発表された。

 米シカゴ大(University of Chicago)などの調査チームは、米国人の健康に関して行われた2つの調査の結果を精査した。

 1つ目は、1990年代半ばに25~74歳の約3000人を対象に行った、中高年の生活に関するアンケート調査。2つ目は、その10年後に57~85歳の3000人程度を対象に行った、老いに関するアンケート調査だ。

 精査の結果、55歳の時点で、性生活を営める残り時間が男性では平均15年あるのに対し、女性では平均10年半であることがわかった。

 また、性生活における著しい男女差も浮き彫りになった。

■性生活の男女差、年齢とともに大きく

 全体的に見て、男性の方がセックスの頻度や関心が高く、良質な性生活を送っていると自負する率も高かった。

 こうした男女差は年齢とともに大きくなり、75~85歳では「セックスをしている」のは男性38.9%、女性16.8%。「セックスに興味がある」のは男性41.2%、女性11.4%と、最大の開きが生じた。 

 この年代で「セックスをしている」グループのうち、「良質な性生活を送っている」と考えているのは男性70.8%、女性50.9%だった。

 なぜこのような差が生じるのだろうか?

 調査チームは、性生活の機会の差を一因に挙げている。 

 例えば、男性ではすべての年代において4人中3人にパートナーがいた。しかし女性では、パートナーがいるのは25~54歳では3人中2人、75歳以上では10人中4人以下だった。こうした数字は、女性の方が長寿命である点と、男性が若い女性と結婚しがちである点を反映していると見られる。

■「良好な健康状態」が不可欠

 なお、男女とも、性生活の幸せには良好な健康状態が不可欠であることを、調査結果は示している。

 健康状態が良好な人では、同年代の健康状態が思わしくない人に比べて、性への関心度が約2倍高く、セックスを営むことができる残り時間も約6年ほど長かった。

 調査に参加した研究者らは、こうした結果が「高齢者の性」に関するタブーを打ち破ることになってくれればいいが、と話している。(c)AFP/Richard Ingham