【2月11日 AFP】2001年の9.11米同時多発テロで、世界貿易センタービル(World Trade CenterWTC)が倒壊した際の粉塵を吸ったことが原因で、数年後に頭痛を引き起こしている可能性があることが、10日発表された研究で明らかになった。

 ニューヨーク大医学部(New York University School of Medicine)の研究者らは、9.11テロから7年後の08年にベルビュー病院(Bellevue Hospital)のWTC病棟で頭痛の治療を受けた患者のうち、9.11以前には頭痛はなかったという765人について調査を実施した。

 このうち、WTC倒壊直後に粉塵を吸い込んだ人は約55%だった。最近4週間で頭痛があった人は全体の43%で、直後に粉塵を吸い込んだ人の割合が、吸い込まなかった人をわずかに上回った。

 また、頭痛を訴えているこれらの人々は、9.11以前に比べて運動中にぜえぜえと息切れがしたり、鼻水が出やすくなるなどの症状を経験していることもわかった。 
 
 WTCの倒壊時や倒壊直後に付近にいた人の間で広く頭痛を訴える声があったことはこれまでにも知られていたが、かなりの年月がたってから頭痛の状況を調査したものは今回が初めて。研究者は、WTC倒壊時のガスや粉塵による長期的な健康被害について、さらなる研究が必要だとしている。(c)AFP