【2月3日 AFP】乳幼児突然死症候群(Sudden Infant Death SyndromeSIDS)は、脳幹内のセロトニンの量が少ないことが原因である可能性があるとする論文が2日、米内科学会誌「米国医師会雑誌(Journal of the American Medical AssociationJAMA)」に発表された。

 脳幹内のセロトニンは、心拍、呼吸、血圧、体温などの機能を制御する神経伝達物質だ。

 米ボストン小児病院(Children's Hospital Boston)の研究チームは、SIDSで死亡した36人の乳幼児と2つの対照群(その他の原因で突然死した乳幼児と、慢性的な低酸素障害で入院した乳幼児)を対象に、セロトニンとセロトニンの生成にかかわるトリプトファン水酸化酵素の量を調べた。

 その結果、SIDSの乳幼児では、2つの対照群に比べて、脳幹下部のセロトニンの量が26%、トリプトファン水酸化酵素の量が22%、それぞれ少ないことが分かった。SIDSの乳幼児では脳幹内のセロトニン受容体が少ないことも明らかになった。

 研究者によると、赤ん坊が起きている時、脳幹は前脳や皮質内のほかのシステムと協働する。しかし寝ている時には高次脳機能のスイッチがオフになるため、呼吸などの機能は脳幹が一手に引き受けることになる。

 このとき、セロトニン関連の異常があり、うつぶせ寝(二酸化炭素が多い自分が吐いた息を吸いがちになる)などのほかのSIDSリスク要因も重なると、脳幹内のセロトニンシステムは問題を検知することができず、赤ん坊が死に至る危険性があるという。(c)AFP