【1月28日 AFP】ランニングシューズを履いて走るよりも、はだしで走る方が足にかかる衝撃を大幅に吸収できるとする論文が、27日の英科学誌「ネイチャー(Nature)」に発表された。

 研究チームは、米国とケニアのランナーを対象に、「はだしで走る」「靴を履いて走る」「以前は靴を履いていたがはだしへ転向した」3つのグループの足の重心のかかり方を調べた。

 すると、靴を履いたランナーの4分の3が、着地時にかかとが地面に接しており、接地回数は1マイル走るごとに約1000回だった。衝撃を和らげる効果の高いスポーツシューズでも、すべての衝撃を吸収しきれないことは、ヘビーランナーの30~75%が毎年何らかの反復運動損傷を訴えていることからも明らかだ。 

 一方、はだしのランナーの圧倒的多数は着地時にかかとが接地せず、足の側や母指球で接地していることがわかった。かかとを地面に付けない走り方は、体重の2~3倍の衝撃がコイン大の表面に集中することによって、痛みや損傷につながる衝撃を回避できる利点があるという。 

 論文は、「今日、はだしで走ることは危険でけがの原因になると考えている人は多いが、実際には人はどんなに硬い地面であっても、はだしで痛みも不快感も感じずに走ることができる」と指摘している。

 ただし、靴を履いて走っていた人がはだしに転向する場合は、注意が必要だという。靴とはだしでは、使われる筋肉が違うためだ。論文は、「これまでずっと靴で走っていた人は、ふくらはぎと足の筋肉を徐々に作りながら転向すべき」と指南している。(c)AFP/Marlowe Hood