【12月11日 AFP】牛乳ベースに甘味とココア風味をつけた飲料「チョコレートミルク」は、米国の学校食堂で子どもたちに一番人気のある乳飲料。だが、チョコレートミルクは「偽装された炭酸飲料」だとして、全米の学校から追放すべきだとの意見が浮上している。

「学童が学校食堂で牛乳の代わりにチョコレートミルクを選んだ場合、1年間で1~1.5キロの体重増に、さらに10年間では10~15キロの体重増になる」と話すのは、元有名シェフで現在はコロラド州ボールダー(Boulder)の学校における栄養改善に取り組む団体の代表、アン・クーパー(Ann Cooper)氏。同氏は9日に開かれた学校給食の食事の品質について話し合う公式会議に出席するためワシントンD.C.(Washington D.C.)にやって来た。

 米国では肥満問題がすでに深刻な社会問題になっていると、クーバー氏は指摘する。同氏の管轄地区であるボールダーではすでに、チョコレートの味などをつけたフレーバーミルクが地元の学校から追放され、代わりに冷たい有機酪農による牛乳が扱われているという。

 クーバー氏によると、チョコレートミルクは牛乳と比べると1.5倍のカロリーがある。また炭酸飲料1オンス(約30cc)とほぼ同量の糖分を含んでいる。もちろん、フレーバーミルクには炭酸飲料に入っていない重要な栄養分が含まれている。だが、普通の牛乳の場合、同じ栄養分がある上、低カロリーで、糖分も3分の1だ。

 一方、酪農業界はこうした「学校食堂からのフレーバーミルク追放」の動きに反発し、インターネット上で反対運動「Raise your hand for chocolate milk(チョコレートミルクを支持しよう)」を展開している。

 アメリカ酪農評議会(National Dairy Council)はフレーバーミルク支持運動サイトで、「学校食堂でもっとも人気のあるチョコレートミルクがなくなれば、子どもたちが飲む牛乳の量が減ることになる」とのコメントを記載。フレーバーミルク追放は栄養面で子どもたちにむしろ悪い影響を与えるおそれもあると主張している。(c)AFP