【11月25日 AFP】高脂肪で糖分の高い食事は脳内の化学物質に対して精神安定剤と同じ効果をもたらすとの研究報告を、オーストラリアの科学者らが24日、発表した。「ホッとする食べ物」を求めてしまう気持ちに科学的な根拠が与えられた形だ。

 研究チームを率いるマーガレット・モリス(Margaret Morris)氏によれば、強いストレスにさらされた場合に、おいしい物を食べることで不安感が軽減されることが明らかになったという。

 モリス氏率いるニューサウスウエールズ大学(University of New South Wales)の研究チームは、幼少期に強いストレスを与えられて抑うつ的、または不安にかられた行動をとるようになったラットに対して比較試験を実施。2つのグループに分けたラットの一方のグループに健康的な食事を与え、もう一方のグループにはケーキやパイなど高脂肪の食料やジャンクフードを「食べ放題」で与えた。

 その後ストレス下に置く実験を行ったところ、ジャンクフードを与えたグループのラットは抗うつ剤を与えたラットと同様の反応を示したという。モリス氏は、「脳内のストレスホルモンの受容体における障害が、ジャンクフードを食べたことで回復されていた」と説明した。

 しかし、モリス氏はジャンクフードをどんどん食べるべきと結論づけるのは早急だと語る。モリス氏は、「ジャンクフードは健康的ではない」ので、さらに研究を進めて「効果をもたらしたきっかけを発見」したいとし、「そうしたら全員が肥満にならないで済むから」と語った。(c)AFP