【10月15日 AFP】ドイツ南部エアランゲン(Erlangen)で、昏睡(こんすい)状態の40歳の女性が健康な男児を出産していたと、医師団が14日明らかにした。世界で初めての例だという。

 女性は妊娠中に心臓発作を起こし、昏睡状態に陥った22週間後に男児を出産した。女性が出産した大学診療所の医師は、「母親の年齢と子どもが健康な状態で生まれてきたことを考えると、症例として科学的に非常にまれで、とても喜ばしい」と述べた。

 同診療所によると、1970年以降、妊娠中の脳死や昏睡状態に関する事例は25件しか公表されていないが、その大部分が流産や奇形児の出産という結果を迎えている。

 ただ、母親は心臓と脳に重大な障害を負っており、回復の見込みはほとんどないという。現在、男児は1歳半だが、父親が出張が多いことを理由に育児は困難と判断したため、施設で育てられている。(c)AFP