【10月7日 AFP】季節性インフルエンザのワクチンにも新型インフルエンザA型(H1N1)予防に一定の効果が認められる――。メキシコの研究チームが7日、このような研究結果を英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical JournalBMJ)」(電子版)に発表する。

 メキシコの国営ワクチン会社Birmexの伝染病学者、ホセ・ルイス・バルデスピノゴメス(Jose Luis Valdespino-Gomez)氏を中心とする研究チームは、新型インフルエンザに感染した患者60人と、年齢や背景がほぼ同じでほかの病気の治療を受けている人々との比較検討を行った。

 研究チームは、患者らが2008~09年の季節性インフルエンザのワクチン接種を受けていたかどうかについて調べた。その結果、季節性インフルのワクチン接種が、新型インフル予防に80%程度の効果があったことが分かったという。さらに、季節性インフルエンザのワクチン接種を受けていた新型インフル感染者に死者が出なかったことから、季節性インフルのワクチン接種が重症化を防いだ可能性があるとしている。

 バルデスピノゴメス氏は、「これらの結果は慎重に検討されなければならず、季節性インフルのワクチンを新型インフルワクチンの代わりに使うべきだということを示しているわけではない」と述べ、今回の結果を確認するためには、より大規模な実証研究が必要だと強調した。

 世界保健機関(World Health OrganizationWHO%)が2日に発表した統計よると、9月27日現在、新型インフルエンザへの感染が確認されたのは34万人以上にのぼり、うち4100人以上が死亡している。(c)AFP