【9月9日 AFP】オーストラリアの医療団体クイーンズランド・ヘルス(Queensland Health)が過酷な勤務シフトをこなす睡眠不足の医師が長時間勤務で集中力を持続するにはコーヒーをたくさん飲むとよいという提案をしたことに、医師会が反発している。ブリスベーン(Brisbane)のクーリエ・メール(Courier-Mail)紙が伝えた。

 クイーンズランド・ヘルスは疲労リスク管理に関する文書の中で、医師のための「カフェインの有効な戦略的活用」として、夜勤の際、眠気を長時間にわたり著しく減らすためにコーヒー5~6杯分に相当する400ミリグラムのカフェインの摂取を推奨している。栄養ドリンクも効果的だが、入手しやすく、安価なことからカフェイン錠剤やコーヒーを推奨するとしている。

 オーストラリア医師会(Australian Medical AssociationAMA)はこのガイドラインを「憂慮すべきもの」と表現し、週最長80時間の勤務をこなす医師は、適切な休憩を取る必要があると指摘した。

 オーストラリア医師会のスティーブ・ハンブルトン(Steve Hambleton)副会長はチャンネル9(Channel Nine)テレビに対し、「患者の命が危険にさらされているのだ。だからこそAMAは繰り返し注意を喚起してきた。われわれはこの問題に取り組む姿勢を改め、シフト勤務のあり方を変えなければならない」と訴えた。

 医師の過酷な勤務に関する問題は、クイーンズランド(Queensland)州の勤務医団体Salaried Doctors Associationが行った調査で、手術室で外科医が居眠りをするなどの重大な事例が起きていたことが明らかになってから注目を集めていた。(c)AFP