【8月3日 AFP】赤ワインを飲むと炎症の抑制に効果がある――。こうした研究結果を、英グラスゴー大学(University of Glasgow)の研究チームが2日、米国実験生物学協会(Federation of the American Societies for Experimental BiologyFASEB)が発行する専門誌「FASEB Journal」に発表した。

 研究チームによると、赤ワインに含まれる抗酸化物質のレスベラトロルが、炎症性物質にさらされたマウスを保護する役割を果たしたという。レスベラトロルを投与されなかったマウスは、炎症による肺血症と同様の深刻な症状を示したという。研究では、レスベラトルが、炎症を引き起こす血液中の2つの主要なタンパク質の働きを阻害したとされている。

 グラスゴー大学のアリリオ・メレンデス(Alirio Melendez)氏は、「敗血症のような深刻な炎症性疾患は治療が大変困難で、十分な治療ができず毎日多数の死者が出ているのが現状だ。それに加え、たとえ死亡しなかったとしても、炎症が複数の内臓器官などにダメージを与えるため、その後の生活でも支障をきたすことが多い」と指摘する。

 その上で、「われわれの研究の最終目的は、深刻な炎症疾患の治療に役立つ新たな治療法を発見することだ」と強調した。

 レスベラトルは、アンチエイジングや抗ウイルス治療などの健康効果をもつことで広く知られている。これまでの研究では、レスベラトルが血栓を防ぎ、がん治療に役立つことが報告されている。レスベラトルはブドウの皮に含まれていることが分かっているが、白ワインよりも赤ワインに多く含まれているという。(c)AFP