【7月3日 AFP】厚生労働省は2日、国内で初めて、治療薬タミフル(Tamiflu)に耐性を示す新型インフルエンザA型(H1N1)ウイルスの遺伝子変異が確認されたと発表した。タミフル耐性ウイルスが確認されたのは、世界では前月末のデンマークの女性患者に続き2例目となる。

 共同通信が厚労省の話として2日に報じたところによると、耐性ウイルスが検出されたのは、大阪府豊中市に住む40代の女性教諭。5月17日に新型インフルエンザと確認された患者の濃厚接触者で、翌18日からタミフルを予防的に投与されていた。28日に新型インフルエンザと診断され、リレンザによる治療を受けて回復した。デンマークのケースでも、リレンザによる治療で回復している。

 タミフルを製造するスイスの大手製薬会社ロシュ(Roche)は、こうした変異は「極めて普通のこと」と見解している。同社広報担当者は、「成人の0.4%にタミフル耐性ウイルスが出現する」とし、今回のケースは、新型インフルエンザに対するタミフルの効果が減じていることを示すものではないと話した。

 世界保健機関(World Health OrganizationWHO)によると、日本におけるこれまでの新型インフルエンザ感染者数は1266人。死者は確認されていない。(c)AFP