【6月4日 AFP】米、英、カナダの大手生命保険会社がたばこ業界に少なくとも44億ドル(約4200億円)に上る多額の投資をしている、との調査報告が、3日発行の米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に発表された。

 調査を主導した米ハーバード大医学部(Harvard Medical School)のウェズリー・ボイド(Wesley Boyd)医学博士は、医師らなどの要請に反して投資活動が継続されているとして、「保険会社の最優先課題が、人々の健康を守ることではなく、金儲けになっていることは明らか」と非難している。

 ボイド博士は、生命・医療保険を販売する会社がたばこ業界に投資することは一見、自滅的な行動に見えるが、保険会社は喫煙者を加入対象から除外したり、保険料を高く設定するなどしており、二重に利益を得ていると指摘している。

 調査でわかった投資額は、米生保大手プルデンシャル・ファイナンシャル(Prudential Financial)が米たばこ大手フィリップ・モリス(Philip Morris)などに2億6430万ドル(約250億円)、カナダのサン・ライフ・ファイナンシャル(Sun Life Financial)が同じくフィリップ・モリスに10億ドル(約960億円)以上、英プルーデンシャル(Prudential.plc)がブリティッシュ・アメリカン・タバコ(British American Tobacco)などに13億8000万ドル(約1300億円)などとなっている。(c)AFP