【1月13日 AFP】毎日の睡眠時間が7時間未満の人は、同8時間以上の人よりも3倍もカゼをひきやすい。米カーネギーメロン大学(Carnegie Mellon University)によるこうした研究結果が、米国医学会の機関誌「Archives of Internal Medicine」(1月12日号)に発表された。

 同大の研究チームは、2000-2004年に、健康状態が良好な153人(平均年齢37歳)を対象に、睡眠習慣とカゼのひきやすさの因果関係を見る実験を1人あたり2週間にわたり実施した。具体的には、前夜の睡眠時間、どの程度熟睡したか、疲れがとれたかの聞き取りを毎日行うと同時に、風邪の原因ウイルスの1種(ライノウイルス)を含んだ点鼻薬をさしてもらった。

 実験の結果、睡眠時間が短いほどカゼをひきやすいことがわかった。

 また、熟睡の時間が短い、つまり睡眠の質が悪い場合でもカゼをひきやすいことがわかった。例えば、睡眠時間のうち実質的に寝ていた時間が92%未満では、同98%以上の人に比べて、5.5倍もカゼをひきやすいことが判明した。

 研究チームは、睡眠障害は、風邪ウイルスの感染により放出されるサイトカインやヒスタミンなどの信号伝達物質の調節をしにくくするのではないかと見ている。

 これまでの研究でも、睡眠障害が免疫系の機能を低下させることが指摘されてきたが、睡眠不足とカゼのひきやすさの因果関係を明確に示す結果は得られていなかった。(c)AFP