【1月6日 AFP】多くの人びとがクリスマスから新年にかけての疲れを引きずったまま仕事始めを迎えた5日、英国の科学者らの団体が「デトックス」製品には効果がほとんどないとする調査結果を発表した。

 300人以上の大学院生や博士号取得者でつくる「Voice of Young ScienceVoYS)」が行った調査によると、「デトックス」ついて同じ定義を用いている企業は1社としてなく、各社が主張するデトックス製品の効果もほとんど「無意味」なものだったという。

 さらに、デトックスという言葉は「足用パッチからストレートヘアアイロンにまであらゆるもの」に使用されているものの、デトックス作用がどういうものなのかについて信頼性や一貫性のある説明はなかったという。こうしたことから、VoYSは、デトックスは薬物中毒や中毒症状に対する治療行為以外では意味がないと主張している。

 調査結果をまとめた1人で生物学者のHarriet Ball氏は、「現代の生活様式によって、われわれの周りには、専門用語だらけの医薬品を買わない限り対処できない、目に見えない毒素があふれているとの考え方の下、『デトックス』は売り込まれている。われわれの調査の結果、デトックス製品の効果はほとんどない、もしくは証明できないことが明らかになった。金の無駄だし、自然治癒力を軽視することにつながる」と指摘した。

 また、物理学者のOliver Fenwick氏は、デトックス産業が大成功を収めていることを認めた上で、「デトックス産業は宣伝文句がすべてだ。デトックス製品を注意して見ると、こうした製品の大半は体がもともと持っている治癒力以上のことは何もできないことがわかるはずだ」と語る。(c)AFP