【12月17日 AFP】(写真追加)米オハイオ(Ohio)州のクリーブランド・クリニック(Cleveland Clinic)は16日、女性の顔面の80%を移植する手術を行ったと発表した。顔面移植手術の成功例は米国では初めて、世界では4例目だが、顔面のほぼ全体の移植手術としては世界初という。

 外傷により顔面が変形した女性への手術は、7人の医師チームにより、数週間にわたり行われた。本人の希望もあり、氏名などの詳細は公表されていない。

 顔面移植手術は、救命措置としてではなく、患者のより良い生活を目指して行われる。だが、移植組織が拒絶反応を起こしたり、拒絶反応抑制薬で合併症を引き起こすなどのリスクがつきまとい、さらにはこうした薬を一生飲み続けなければならないことから、手術には賛否両論がある。

 同クリニックは4年前に米国で初めて顔面移植手術を認可。形成外科医長のMaria Siemionow氏は、研究用ラットで顔面や四肢の移植に関する研究を重ねてきた。

 クリニックは17日に会見を開き、術後の経過などを報告する。(c)AFP