【12月10日 AFP】英医薬品大手グラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKline)が開発したマラリアワクチンの2つの臨床試験で、アフリカの子どものマラリア感染率が53-65%減少したとする結果が、8日の医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に発表された。

 年間死者数が世界全体で約100万人、年間の感染者数は約2億5000万人にものぼると言われるマラリア。研究者らは70年以上にわたって、ワクチンの開発に尽力してきた。

 グラクソ・スミスクラインは、1980年代後半にこのワクチンを開発し、米国の治験ボランティアで最初の臨床試験を行った。2001年には非営利団体のPATHマラリアワクチン・イニシアチブ(PATH Malaria Vaccine Initiative)と提携し、アフリカの子どもたちへの臨床試験を開始した。

 米疾病対策センター(Centers for Disease Control and PreventionCDC)のウィリアム・コリンズ(William Collins)氏とジョン・バーンウェル(John Barnwell)氏は、同医学誌の論説で、「このワクチンは研究室、臨床試験の双方で大きな効き目を示した、初めての実験的マラリアワクチンだ。明るい将来への第一歩だ」とコメントしている。
 
 来年初頭にはアフリカ全土で臨床試験の最終段階に入り、有効性や効き目が持続する期間、安全性などが注意深く評価されるという。(c)AFP