【12月4日 AFP】ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)州の保健当局は3日、同地を訪れていた南アフリカ人男性(53)が原因不明の病気で死亡し、現在死因を特定中であることを明らかにした。

 名前は明らかにされなかったが、男性は会議出席のためブラジルに到着した2日後の11月25日に発病し、今月2日に出血性疾患のため死亡した。病院に搬送された際には、熱、嘔吐(おうと)、血尿、発疹(ほっしん)の症状がみられた。

 医師らは、男性がアレナウイルスに感染していた疑いがあるとみている。アレナウイルスは、西アフリカ一帯に特有のラッサ熱など感染性の高いウイルスの一種で、通常、げっ歯類に接したり、感染者の分泌物から人間へと感染する。保健当局は、デング熱、マラリア、エボラ出血熱の可能性はないと断定している。

 死因の特定作業は続けられており、週末までに結果が判明する予定だという。一方、男性の診療に当たった病院スタッフに何らかの症状が現れるかどうか観察が続けられている。

 当局によると、男性の死亡は汎米保健機構(PAHO)と南ア領事館に報告されており、遺体は密閉された金属製のひつぎに入れて南アに送られる予定だという。

 男性の血液サンプルを調べているリオデジャネイロの研究所の専門家は、記者会見で「男性は非常に攻撃性の強いウイルスに感染していたが、ウイルスの特定はまだできていない。男性はブラジル訪問の2週間前、ヨハネスブルク(Johannesburg)の病院で整形外科手術を受けており、その際に感染した可能性が高い」との見方を示した。その病院では、ザンビア人の患者1人と医師3人がアレナウイルスで死亡しており、看護師1人が重体だという。(c)AFP