【10月3日 AFP】英研究団体は2日、大麻による健康被害はアルコールやタバコよりも低いとする報告書を発表し、大麻政策に対する「真剣な再検討」を呼びかけた。

 報告書を発表したのは、英国内の研究者らがアドバイザーとして名を連ねるBeckley Foundationで、大麻の違法化は、大麻の供給量削減には何ら効果がないだけでなく、禁止によって大麻使用者は犯罪者にされてしまうと語った。

 報告書によると、「大麻が精神的なものを含め健康に悪影響をもたらす可能性のあることは事実だが、大麻による害は、アルコールやタバコと比較すると非常に低い」と主張した。

 同団体はさらに、アルコールとタバコが原因で死亡した人の数をあわせると、英国のみで15万人にのぼるが、大麻による死者は世界中でたった2人だと主張する。

「実際には、大麻に関連した健康被害は、逮捕や収監など、大麻が法律で禁じられていることによって起きている」(Beckley Foundation報告書)

 一方、英政府は、大麻をCランクの薬物扱いから、より深刻なBランク扱いにする法改正をすすめている。

 英政府は、特に「スカンク(skunk)」と呼ばれる強力なタイプの大麻の拡大に懸念を示している。政府統計によると、押収された大麻の約80%が「スカンク」で、これらは精神的な健康障害に関連しているとされる。(c)AFP