【8月12日 AFP】ランニングに老化を遅らせる効果があるとする研究結果が、11日発行の米国医学会(American Medical Association)機関誌「Archives of Internal Medicine」で発表された。

 米スタンフォード大学医学部(Stanford University School of Medicine)のチームが行った研究で、50歳以上で、数年にわたり定期的にランニングをする人々は、活動的でない人々と比較して身体の障害が少なく、健康寿命が長くて、早期死亡リスクが50%少ないことが判明した。

 同大学の名誉教授で論文の執筆者の1人、ジェームズ・フライズ(James Fries)医学博士は、今回の研究結果について、エクササイズを強く奨励する結果が示されたとし、「年を取るにつれ人々がより健康になるために1つだけ対策を選ばなければならないとすれば、有酸素運動をすることだ」と語った。

 今回の研究では、1984年から50歳以上で週数回ランニングをする538人を対象に、ランニングをしない同様の被験者グループと比較した。

 その結果、被験者が高齢化するにつれ、ランニングをする人としない人の間で健康状態の差が広がり、90代になっても差が広がり続けることが判明した。

 自らも熱心なランナーの現在69歳のフライズ博士は、「このような結果が出るとは思わなかった。エクササイズはわれわれが思っていたより健康に有益だ」と述べた。

 フライズ博士は、ランニングをする人がより健康なのは、比較的体が引き締まっており、一般的に健康的な生活を送っているためだと指摘。

 また、ランニングが寿命を延ばす効果は研究チームの予想よりも顕著で、調査開始から19年でランニングをしない人は34%が死亡したが、ランニングをする人の死亡率は15%にとどまっているという。(c)AFP