【6月5日 AFP】メルボルン大学(University of Melbourne)の研究チームは4日、エイズ感染を予防する「自然派コンドーム」開発の糸口を見つけたと発表した。女性ホルモンのエストロゲンをペニスに週1回塗布するというもので、これにより、男性がHIVウイルスに感染するリスクが軽減できるという。

 同大のロジャー・ショート(Roger Short)教授は、こうしたエストロヘンクリームをペニスに塗布すると、ペニス表面にあるタンパク質の一種ケラチンの皮膜が4倍の厚さになり、これが自然の保護膜の役割を果たすと説明する。

 この保護膜が、ウイルスを寄せつけない生体膜、いわば「自然派コンドーム」というわけだ。

 研究チームは、この技術を活用することで、安価で容易なHIV感染予防策が実現できると主張する。ただし、自然派コンドームはエイズ以外の性病の感染予防や避妊には効果がないという。

 自然派コンドームの臨床試験はアフリカで行われる予定だという。

 研究の詳細は、オンライン科学誌「PLoS ONE」に掲載されている。

 ショート教授は、HIV感染予防策として「男子の割礼」を強く提唱していることで知られる。(c)AFP