【5月6日 AFP】手足口病を引き起こすエンテロウイルス71型(Enterovirus 71EV71)が中国で大流行している問題で、国営新華社(Xinhua)通信は5日、同日までの国内全土での手足口病の発症者を8531人と報じた。症例は、五輪が開催される北京(Beijing)でも確認されている。

 EV71感染による手足口病の発症で死亡が新たに報告されたのは東部の浙江(Zhejiang)省で、浙江オンライン・ニュースサイト(Zhejiang Online news site)によると1人が死亡したという。詳細は報じられていない。

 既に、隣接する安徽(Anhui)省では子ども22人、南部広東(Guangdong)省でも子ども3人の死亡が報告されている。

 EV71の大流行により、同国の衛生省は前週末、全国的に警戒を発している。また、陳竺(Chen Zhu)衛生相率いる対策本部を設置し、地方の衛生当局と連携して事態の収拾に努める方針だ。

 だが、新華社は手足口病の発症者の数は増加し続けていると報じている。

 中国政府はこれまでのところ、全国的な発症件数については発表しておらず、衛生当局の広報担当もAFPの取材に対しコメントを控えた。

 夕刊紙、北京晩報(Beijing Evening News)によると、北京市の衛生当局は5日、市内での前日までの発症者が1482人に達したと発表、5日前の1010人から急増している。

 また、北京市の当局者によると、市内での症例はほかの地域のものとは関係なく、手足口病は中国ではよく見られる病気で、この時期の発症者の数としては正常範囲内だと述べているという。

 一方で、市の衛生当局は大流行の兆候に警戒を示しており、状況が悪化すれば学校やデイケアセンターなどの閉鎖を「提案」する可能性もあるという。(c)AFP/Dan Martin