【4月29日 AFP】チョコレートを食べると妊娠中毒症にかかるリスクが減る可能性があるという研究結果が、医学誌「Epidemiology(疫学)」の5月号に掲載された。

 エール大学(Yale University)のエリザベス・トリシェ(Elizabeth Triche)博士の研究チームが1996年から2000年にかけて2291人の女性を対象に調査したところ、ビターチョコレートを食べた妊婦は妊娠中毒症のリスクが69%も低かったという。妊娠中毒症は、高血圧などの症状が出る病気で、妊婦の約8%が発症するといわれている。

 研究チームは、調査対象の女性らが出産した後のへその緒から採取したさい帯血(胎盤に含まれる血液)内のテオブロミン(theobromine)濃度を調べた。テオブロミンはチョコレート成分のカカオ豆に含まれる物質で、利尿作用、強心作用、血管の拡張作用などがある。一般的に、チョコレート製品に含まれるテオブロミンの含有量は0.15%から0.46%程度だという。

 このほかにもチョコレートには、血圧を下げるマグネシウムや抗酸化物質のフラボノイドなど、健康に良いとされる成分を含んでいる。

 だが、こうした成分の含有率は商品ごとに大きく異なる。一般的に糖分や脂質を多く含む加工度の高い製品ほどテオブロミンの含有量は低いため、トリシェ博士は「妊娠中毒症の予防にはミルクチョコレートや加工チョコレート製品よりビターチョコレートの方が望ましい」としている。(c)AFP