【4月29日 AFP】スウェーデンのカロリンスカ研究所(Karolinska Institute)は28日、禁煙療法として期待されるニコチンワクチン「Niccine」の臨床試験を来年、北欧3か国の400人に対して実施すると発表した。

 製造元のIndependent Pharmaceutica社によると、試験の対象となるのはタバコをやめたいと思っているヘビースモーカー。カウンセリングを行ったあとで、被験者の半数にはワクチンを、残り半数にはプラセボ(偽薬)を1か月に1回、4か月にわたり投与し、その後1年間にわたり禁煙達成度を調査する。

「Niccine」は、同社を設立したスヴェンソン(Torgny Svensson)教授の指導のもと、カロリンスカ研究所が10年がかりで開発したもの。免疫系を刺激してニコチン抗体を生産させ、これが喫煙時に摂取されたニコチンに接着して、「タバコをおいしい」と感じる脳内部分への到達を妨げる。この結果、喫煙習慣を絶つことができるようになるという。

 ただ、免疫系自体がニコチンに反応することはないため、ニコチンワクチンの開発においては、免疫系にできるだけ多くの抗体を生産するよう働きかける仕組みが課題になる。(c)AFP