【4月19日 AFP】カナダ保健省は18日、健康への影響が懸念される化学物質「ビスフェノールA(bisphenol A)」を含むプラスチック製哺乳(ほにゅう)瓶について近い将来、輸入、販売、および広告を禁じる方針を打ち出した。

 トニー・クレメント(Tony Clement )保健相は首都オタワ(Ottawa)での会見で、「(60日の)公開調査期間内に、新事実や新情報が得られない場合、政府はビスフェノールAを含む哺乳瓶の輸入・販売・広告を禁じる措置を取る」と発表。「カナダは同物質の規制を行う初めての国家となる。この予備的措置は国民の健康を勘案した場合、賢明で道理にかなうものと考える」と述べた。

 ビスフェノールAが消費者製品から多量に溶け出すことが確認されたとの各国の研究報告を受け、カナダ保健省政府は前年11月、この物質の安全性を見直す検討を始めていた。

 動物を使った研究によると、乳がん、卵巣がん、前立腺がんなどとビスフェノールAの少量摂取に因果関係が認められるという。

 多くの製品に50年ほどにわたって使われてきたこの物質の安全性を訴えてきたプラスチックの製造業界は、カナダ保健省の発表に新たな対応を迫られている。(c)AFP