【3月26日 AFP】がんや心疾患、糖尿病など死亡率の高い病気の診断に唾液(だえき)が利用できるようになるかもしれない。このような研究結果が25日、米誌Journal of Proteome Researchに発表された。

 研究を行ったのは、米ロチェスター大学メディカルセンター(University of Rochester Medical Center)口腔生物学センター(Center for Oral Biology)のジェームズ・メルビン(James Melvin)氏率いるチームなど3つの研究チーム。

 同氏は「血液検査を唾液検査に代えることで、体を傷つけず安価に病気の診断をすることができるようになる」とし、唾液タンパク質が体中の病気を発見する新たなツールになる可能性があると指摘する。

 研究では、複数の人種の成人男女23人から採取した唾液サンプルを分析。その結果、唾液に含まれるタンパク質の3分の1は血液中に含まれるものと同じだったという。さらに、唾液タンパク質の大半はアルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、乳がん、膵臓(すいぞう)がん、糖尿病などの病気に関与するタンパク質と一致した。

 同センターのMireya Gonzalez Begne準教授(歯学)は「これらのプロジェクトにより病気を早期に治療することが可能になり、診断を劇的に加速し、予後を改善することができると考えている」とし、「唾液タンパク質が口腔がんやエイズ(HIV)感染の検出に利用できることはすでに証明されている。このリストに間もなく、死亡率の高いがん、心疾患などの病気が加えられるだろう。これらの病気は早期に発見されれば治癒率がずっと高まる」と指摘している。(c)AFP